エミー賞を選ぶのは誰?

ATAS(テレビアカデミー)の会員の投票

エミー賞(プライムタイムエミー賞)を選ぶのは、賞の主催者である「米国テレビ芸術科学アカデミー(ATAS)」の会員です。ATASはアメリカのテレビ業界で働く人たちの業界団体です。俳優や監督などの業界関係者が会員になっています。映画のアカデミー賞を主催する団体とは全く別の組織です。

審査員の人数は?

選考・投票する人の数

ATASの会員数は、2万2000人(2017年現在)です。この人たちが投票をして、ノミネートと受賞者を選びます。

作品賞の選び方

エミー賞の最高賞とされる「作品賞」は、会員全員に投票によって選びます。作品賞には、「ドラマ作品賞」や「コメディ作品賞」があります。

作品賞以外の部門は

作品賞以外の部門は、各会員が所属する分野ごとに投票が行われます。例えば、俳優部門の会員なら、俳優賞に投票を行うということです。

投票資格を得るには?

テレビ業界のプロフェッショナル

エミー賞の投票権を持つATASの正会員になるには、どうしたらよいのでしょうか。ATAS会員になれるのは、テレビ業界で働く専門家(プロフェッショナル)です。一定の活躍をすると、正会員になる権利が与えられます。このほか。エミー賞にノミネートされると、申請するだけで会員資格を得ることができます。

選考メンバーに日本人はいる?

エミー賞の選考メンバーに、日本人がいるかどうかは不明です。ただ、渡部翔子、マシ・オカ、小山吾郎、矢田弘、徳永優子ら、過去のエミー賞の受賞者やノミネート候補になった人たちは、ATASの正会員になる資格があるため、投票権を持っている可能性があります。

団体の正式名称

ATASは1946年にロサンゼルスで、子ども向け番組の制作者や業界誌の記者をしていたシド・キャッシドにより設立されました。正式名称は「The Academy of Television Arts & Sciences」です。

エミー賞は番組の質を評価

視聴率との関係は薄い

エミー賞と視聴率は関係しているのでしょうか。初期の頃から、選出結果の対象となる番組は視聴率の高低と関係が薄いとされています。テレビ番組を純粋に「質」の面から評価する傾向が強いようです。業界のプロがそれぞれに良い作品を制作し、お互いにプロの目で選ぶという意味で、エミー賞は達成のシンボルとも言われています。

Netflix(ネットフリックス)やAmazon(アマゾン)にも授与

テレビ局の圧力や癒着(ヤラセ)がない証拠(?)

エミー賞は、テレビ番組を対象とするアワードとされていますが、Netflix(ネットフリックス)やAmazon(アマゾン)などネット配信も多く受賞しています。むしろ、ネット配信の作品をいち早く選考対象に加え、栄冠を与えたのはエミー賞です。テレビ局のライバルである脅威であるネット配信を正当に評価し、賞を授与するのは、エミー賞がテレビ局からの圧力を受けていない証拠だとも言われています。テレビ局との癒着やヤラセ(できレース)があるのならば、ネット配信の番組が早々に受賞することは考えられなかったかも知れません。

エミー賞の投票スケジュール

2017年(第69回)の場合

2017年6月12日・・・ノミネート投票開始
2017年6月26日・・・ノミネート投票終了
2017年7月13日・・・ノミネート発表
2017年8月14日・・・最終投票開始
2017年8月28日・・・最終投票終了
2017年9月17日・・・受賞者の発表(授賞式)
※いずれも現地時間

デイタイムエミー賞と国際エミー賞の審査は?

NATASとIATAS

デイタイム・エミー賞と国際エミー賞の審査は、別の団体が行っています。デイタイムエミーは、テレビ芸術科学アカデミー(The National Academy of Television Arts & Sciences:NATAS)、国際エミー賞は、国際テレビ芸術科学アカデミー(International Academy of Television Arts & Sciences:IATAS)がそれぞれ選考しています。選考スケジュールや授与式も別々です。

エミー賞の主催団体、審査員

主催団体 米国テレビ芸術科学アカデミー(The Academy of Television Arts & Sciences:ATAS)

【例外】
デイタイム・エミー賞・・・テレビ芸術科学アカデミー(The National Academy of Television Arts & Sciences:NATAS)
国際エミー賞・・・国際テレビ芸術科学アカデミー(International Academy of Television Arts & Sciences)
投票する人(審査員、選考委員) 米国テレビ芸術科学アカデミーの正会員
「作品賞」は会員全員によって投票がなされ、その他の部門は各会員が所属する分野ごとに投票が行われる
審査(投票)資格を得るには アメリカのテレビ業界で働く専門家であるか、過去にエミー賞にノミネートされた人物が、米国テレビ芸術科学アカデミーの正会員になることで投票権を得ることができる
会員数 約2万2000人